「佐原の大祭」を活用したツアーの商品化


③佐原の大祭準備体験モニターツアーの効果検証

1)佐原の大祭・準備体験ツアーの結果

① 成果

  • 本体1事業で実施したモニターツアーよりも満足度が高く、イヤホンガイドによる解説や、ツアーに組み込んだ食事等の改善によって、評価が高まったと考えられる。
  • ツアーのプログラムでは「山車を組み立てている様子の説明」が最も評価されており、地元の関係者でなければ入りにくい場所で、ツアー限定の貴重な体験である点に、強く魅力を感じていることが把握できた。
  • ツアー参加者の3割が「佐原の大祭」当日にも来訪しており、準備体験ツアーによって地域とのつながりが生まれ、リピーター誘致やファンの獲得に効果があることが確認できた。

② 課題

  • 次年度以降は旅行業登録のある事業者と連携し、ツアー商品を企画・販売することになる。佐原の大祭・準備体験ツアーを継続的に販売できるように、適切な料金設定と、効果的な宣伝及び受入実施を検討する。
  • モデルケースとして実施した「東関戸」での準備体験は、ツアー商品としての可能性が高いことが確認できた。さらに事業の成果を佐原全体に広げられるように、他の地区での実現性を検討する。
  • ツアーのメインテーマとなっている「準備体験」を強調したいが、告知情報では食事や文化財を楽しむ一般的なツアーとの差別化が打ち出せていない。2年実施したモニターツアーの実績を踏まえて、「てこ棒」や「のの字回し」など、特別な体験であることが分かるようにPRする。

■準備体験ツアーの満足度


(2)佐原の大祭・準備体験ツアーの今後の展開

  • 次年度以降は、旅行商品として販売する段階となり、本事業で得られた成果を用いて、以下に示す方向で事業展開することが考えられる。

①事業推進体制の強化

  • 千葉交通旅行社の協力を得ながら、旅行業登録のある佐原の事業者または団体が企画・販売できる体制を構築する。
  • 交通、食事、宿泊の有無で最も価格競争力のある組み合わせを検証し、継続実施可能な料金で実施できるようにする。

②実施地区の拡大

  • 「東関戸」以外でも受入可能な地区を選定し、実証実験を繰り返しながらツアー販売に適した地区を拡大させる。

③体験内容の充実化

  • 「準備体験」、「町並み案内」、「山車会館」など、利用者の評価を把握し、体験内容の質を高めていく。
  • メインテーマの「準備体験」の魅力要素を活かしたPR活動を行うことで、商品力を高めていく。